この記事は「ビタミンC|本当の必要量、不足すると老化促進の理由」からの続きです。
なんかイライラするな、カルシウム不足かな、と思いきや、実はビタミンC不足ということがあります。
ビタミンCは、風邪予防や、疲労回復など様々な効果があると言われていますが、ビタミンCは体内に入るといろんな場面で消費され、すぐ不足しがちになります。
「健康カプセル!ゲンキの時間」では、ビタミンC枯れを賢く乗り切れ!として、ビタミンCを徹底リサーチ。ビタミンCと老化との関係など、新しい知見も紹介。さらに栄養摂取の達人が賢いビタミンC摂取法を伝授してくれました。
前記事では、ビタミンCは気をつけて摂っているつもりでも不足しがちなビタミンであること。
ビタミンCの本当の必要量、消費しやすい実態、不足すると老化促進する理由など紹介しました。
この記事では、料理の中で、ビタミン C を捨ててしまわない、賢いビタミンC摂取方法、おいしいビタミンC完璧スープなどを紹介します。
<この記事の目次>
◆ビタミンCの特徴 >>
◆ビタミンC完璧スープ >>
◆ビタミンCが長期的に不足すると
石神先生がマウスを使った実験をしたところ、ビタミンCは長期的に不足してしまうと、マウスの寿命も短くなってしまったんです。
「寿命が1/4ぐらいになってしまいます。」
ビタミンC不足のマウスは、足が衰え自分の体重を支えることができません。老衰の時に見られる特徴の一つです。さらに骨は脆くなり、背骨が曲がり、足は骨折していました。
「これを人間に換算すると、10人の人がいたとして、ビタミンCを小量しか摂らなかったとすると、13年すると半分の人が亡くなる計算になります。」
恐るべきビタミンCの力です。皆さんもしっかり摂りましょう。
◆ビタミンCは体内に溜めこめない
アンチエイジングのスペシャリスト 東海大学 健康学部教授 医学博士 石井直明先生です。
「ビタミンCは水溶性なので、長時間体の中に溜め込むことができないんです。尿に溶けて体外にすぐ出てしまうので、こまめに摂ることが大切です。
サプリでもいいんですが、ビタミンCは、食べ物と一緒の方が腸から吸収されやすいんです。」
ビタミンCの吸収率は空腹時の場合は20から50%(平均34%)、食後の摂取では45から60%(平均52%)というデータがあります。(新ビタミンC と健康 村田晃 著より)
「先生、私の場合1000mgを毎朝摂ってるんですけど、それを3回に分けた方が良いということなんですか。」と中村静香さん。
「分けた方が良いですが、ビタミンCは健康な場合、大量に摂っても害はないと言われています。ただあまり大量に取ると腸からの吸収が悪くなります。」
◆ビタミンCの特徴
ビタミンCの働き、様々あるんですが、主なものをこちらにまとめてみました。
・抗酸化作用
・免疫機能の活性化
・コラーゲンの生成を促進
ビタミン C の一番の特徴は、様々な病気の原因となる活性酸素を効率よく取り除くことができます
活性酸素が原因の病気の例を挙げると、
ガン、心筋梗塞、脳梗塞、肝炎、白内障、歯周病、花粉症、糖尿病、アルツハイマー病など
増えすぎた活性酸素はまさに万病のもとといえます
ビタミンCは、これらの病気を防ぐ効果を持っています。
「日焼けした時にビタミンCを後から飲む、というのは効果あるんでしょうか。」と中村静香さん。
「活性酸素除去というのは瞬間のことなんです。その時にビタミンCがないと除去できないんです。活性酸素を除去するためには、事前に摂っておかないと駄目なんです。」
◆ビタミンCを効率良く摂る食べ方
効率よくビタミンCを摂るにはどうしたらいいか、それを教えてくれるのが、
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長 管理栄養士 濱裕宣さんです。 栄養摂取の達人と言われています
ビタミンCを無駄にしない、効果的な調理法を、教えていただきましょう。濱さん曰く、
「野菜の栄養たっぷりのところを捨ててる方が多いんです。」
まず、ビタミンCといえばレモンなんですが、レモンの切り方にポイントがあると、濱さんは言います。
縦に四分割、くし形に切るのは、間違いとのことです。
果汁たっぷりレモンの切り方とは
レモンはX切りなんです。X斬りでビタミンCを3倍ゲットしましょう。
レモンを横に半分に切って それを縦に半分にすることで、果汁を多く搾れます。
ちなみに、同じように4等分したレモンの切れ端で、搾れる果汁の量を測ってみると、
X切りは9g、くし形切りは4g、レモン1個分に換算すると、36gと16gということでX切りは2倍以上果汁が多く搾れるのです。
続いて枝豆です。枝豆は可食部100gあたり、ビタミンCが27mg含まれています。
濱さんが出してくれた枝豆を食べてみると、
「甘みがしっかりしていて味が濃いです。」との感想。
「実は焼き蒸しした枝豆なんです。」
枝豆は焼いて蒸した場合、茹でた場合よりもビタミンCが2倍アップします。
ビタミンCは水に溶けやすいので、そのまま茹でると、5割近くのビタミンCを逃がしてしまうことになります。焼き蒸しした枝豆は、ビタミンCが逃げにくく、しかも甘みもアップします。
作り方は、塩もみした枝豆をフライパンで焦げ目がつくまで焼き、その後、水を加えて5分ほど蒸します。お好みでオリーブオイルで香り付けてもOKです。
続いてカリフラワーです。カリフラワーは可食部100gあたり、ビタミンC が53mg含まれています。
皆さんカリフラワーを茹でていませんか、
カリフラワーは薄切りして 生で食べるのがおすすめです。
ジャガイモです。可食部100gあたり、ビタミンC、35mg含まれています。
特に、採れたての新ジャガの場合、通常のジャガイモよりも2、3倍、100mg近いビタミンCが含まれています。
さらに、ジャガイモに含まれるデンプンが、ビタミンCの溶け出しを防いでくれるのです。
その効果を得るために、ジャガイモを茹でる際は、皮付きで、水から茹でてください。
◆ビタミンC完璧スープ
ジャガイモを用いて、濱さんが考案してくれたのは”おいしいビタミンC完璧スープ”です。
じゃがいも以外に、キャベツ、ピーマン、赤ピーマン、ブロッコリー、 ダイストマト、野菜本来の味を楽しむため、調味料もコンソメだけと、超シンプルです。
実は一緒に煮込んだキャベツにもポイントがありました。
「外側のキャベツの葉で硬い葉がありますね、あれみんな捨ててしまいますが、そこに一番ビタミンCが多いんです。」
スープ一皿で、ビタミンCが150mg摂れると濱さんは言います。
スタジオの試食も大好評でした。
濱さんお勧めのビタミンC豊富な野菜や果物です(可食部100gあたりビタミンC量)、積極的に摂ってください。
キウイフルーツ:140mg、ブロッコリー:120mg、レモン:100mg、ニガウリ:76mg、キャベツ:4mg、ミニトマト:32mg
さらに、石神先生からのアドバイスです。
「他の栄養素というのは、すぐ体から無くなってしまう、ということはないんですが、ビタミンCだけは、消費が早く、短期間で無くなくなってしまいます。ビタミンCは、こまめにとって欲しいですね。」