なんかイライラするなカルシウム不足かな、と思いきや、実はビタミンC不足ということがあります。
ビタミンCは、風邪予防や、疲労回復など様々な効果があると言われていますが、ビタミンCは夏、特に、不足しがちになります。
「健康カプセル!ゲンキの時間」では、ビタミンC枯れを賢く乗り切れ!として、ビタミンCを徹底リサーチ。ビタミンCと老化との関係など、新しい知見も紹介。さらに栄養摂取の達人が賢いビタミンC摂取法を伝授してくれました。
・実験で検証、いつもの生活がビタミン C 枯れを引き起こす
・あなたはビタミン C を捨てている
・栄養摂取の達人が賢いビタミンC摂取方法を伝授
・おいしいビタミンC完璧スープをご紹介します。
<この記事の目次>
◆現代はビタミンC枯れ、本当の必要量は
東京健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 分子老化制御研究部長 薬学博士 石神昭人先生によると、
「最近の研究で、だいぶ常識が変わってきました。ビタミンCは老化防止の鍵になっています。」
肌の劣化、筋力の衰え、もろくなる骨、全人類に忍び寄る老化の影、それを食い止めるのは何とビタミンCだと言うのです。
あなたの体は大丈夫 ですか、ビタミン C 枯れの恐怖、それは先生によると、
「 一言で言うと体が錆びてしまうということです。」
肌のために良いとか、スタジオの皆さんもビタミンCについては、色々詳しいようです。
毎日1000mg摂っていると中村静香さんは言います。
ところで、ビタミンCは人間の体内では作れないということをご存知ですか。ビタミンCをはじめとする、ビタミン類は人間は体内でほとんど作れません。
我々人間が、1日健康的に過ごすためには、レモン10個分のビタミンCが必要と言われています。
あなたの不調は、ビタミンC枯れ原因かもしれません。
悩みを抱える3人に集まってもらいました。皆さんの悩みは、
・椙原ゆかりさん55歳:シミ、シワ
・井上政光さん52歳:疲れやすい
・高木康文さん68歳:年齢とともに感じる筋力の低下
皆さんは、ビタミンCを意識してとっているんでしょうか。イメージで答えてもらいました。
椙原さんは100のうち80ぐらい、井上さんも80くらい、高木さんは60ぐらい との回答でした。
そこで皆さんのある日の食事を見てみました。
椙原さん、朝食は簡単ながら、夕食にはブロッコリーサラダや、おからサラダを摂っています。
井上さん、朝食は抜きですが、昼夜ともバランスの良い食事です。
高木さんは、朝食にはバナナ、夕食の生姜焼きの付け合わせには、野菜たっぷりのサラダとまずまずです。
そんな皆さんの食事からのビタミンCの摂取量はと言うと、
椙原さん32mg、井上さん26mg、高木さん33mgと全員30mg前後です。
問題はこの量が足りているかということです
そこで、東京都健康長寿センターの石神先生に詳しい話を伺いました。
「そもそも、皆様のビタミンCの量は足りていません。」
全員ビタミンC不足、身体はビタミンC枯れ状態なのです。
そこでまずは、ビタミンC摂取量の目安について、先生に伺いました。
「厚生労働省では、1日のビタミンC摂取量の基準を100mgと定めています。
100mgというのは、長期間にわたりビタミンCが不足すると、壊血病(体の各部位から出血し死に至る病気)という病気になってしまうんですが、それを防ぐためのギリギリの量なんです。」
「意識して摂っていても30mg程度、こんな事ってあるんですか?」
石神先生によると、
「かなり足りていない人が世の中には多いということです。」
先生は、ビタミンCの効果を発揮するためには、厚生労働省基準の10倍、1000mgを推奨されています。
レモン10個、これを全部丸かじりすると、ビタミンC、1000mg程度になるそうです。
◆ビタミンC不足が老化を早める理由とは
「ビタミンCが不足すると、老化が進んでしまうということがあります。」
なんと、ビタミンC枯れは、老化を早めてしまうんだとか。
では、ビタミンC不足は、体の中では何が起こっているのでしょうか。石神先生によると、
「老化の原因の一つは、活性酸素です。
活性酸素が多くなり過ぎて、それが老化を進めるということが分かっています。一言で言うと、体が錆びてしまうということです。」
活性酸素はその強い酸化力で、体内のウイルスを撃退してくれたりもするんですが、増えすぎると、DNAやタンパク質を傷つけ、細胞の機能低下を招き、老化を早めてしまうのです。
そんな錆びから体を守ってくれるのがビタミンC、活性酸素を打ち消し、無力化してくれるんです。
ところが活性酸素は、日常のちょっとした行動で増えるため、ビタミンCを大量に次々消費、その減り方が意外に早いのです。
◆ビタミンCはこんなに消費されやすい
ビタミンCがどれほど減りやすいのか、元気チャレンジャーで実験しました。
血液中のビタミンC濃度を測定する方法で、普段の行動の前後で、血中のビタミンC濃度がどれだけ変わるか調べてみました。
まずは椙原さんは、普段外出することが多いというので、実験では、1時間外出していただいて、ビタミンC濃度の変化を調べます。
外出すると、1時間近く外を歩くという椙原さん、気温は20℃程度、日差しは結構強くなっています。
そして歩くこと1時間、ビタミンCはどう変化したのでしょうか。
行動前の血中ビタミンC濃度13.6mcg/mL でしたが、1時間の外出で12.1まで、およそ11%減少しました。
つまり、続けて外にいると1時間ごとに11%ずつ減ってくということです。これが椙原さんのシミ、シワの原因と言えます。
外で紫外線を浴びると、肌の中に活性酸素が発生、すると細胞にダメージを与え、肌の老化シワの原因になるばかりか、メラニンを作る細胞を傷つけ、シミなどの原因にもなります。
でも 活性酸素はビタミンCが消してくれるはずなのに、なぜ?
「ビタミンCは摂取しても、肌の所まで行くのに時間がかかるんです。
口から摂取したビタミンCが、肌のところまで行くのに6時間近くかかります。
実は椙原さんビタミンCを意識して摂っていたのは夜の食事だけです。
つまり夜とったビタミンCが肌で働くのは午前中だけ。
朝食でも、しっかりビタミンCを摂らないと、日中の強い日差しから肌を守れないのです。」
1日1000mgとしたならば、それを3回に分け、朝昼晩の食事で摂るのが、効率的と石神先生は言われます。
続いて井上さんです。
井上さんのお仕事はIT関係、そこで日常の仕事を再現していただきました。パソコンに向かうこと30分間、その前後の血中ビタミンC濃度を測定すると、8.3から7.5と、30分でおよそ10%も減少しました。
パソコンに向かっていただけで、椙原さんのように歩き回った訳ではありません。
先生の説明で納得です。
「体の中にビタミンCは均等にあるわけではないんです。
特に、目にはビタミンCが多いんです。
紫外線やパソコン画面などによって、目の中に活性酸素が多く発生、それらを除去するために、体内のビタミンCを多く消費します。」
増えた活性酸素を処理しきれないと、全身の細胞やDNAが傷つくことになります。すると疲れが回復できないばかりか 疲れやすい体になってしまいます。
目以外にビタミンCが多いのは、ストレスに対抗するホルモンを分泌する副腎、ビタミンCが不足すると、ストレスホルモンの分泌が乱れ、上手にストレスが解消されず、イライラしてしまうことになります。
最後に、筋力低下を訴える高木さんです。実はこの方が問題でした。ビタミンC枯れがを引き起こす恐ろしい事態とはなんでしょう。
行動前のビタミンCの量を比較してみると、高木さんは4.4と断トツに低い値でした。
それは加齢とともに、腸でビタミンCを吸収する力が落ちてくるためなんだとか。
「私達の調査の中でも、血液中のビタミンC濃度が高い高齢者は、筋力が高いという調査結果が出てるんです。」
ビタミンCの不足で、筋肉量が減少、すると転倒しやすくなり、骨折や寝たきりのリスクが高まってくるのです。
問題は食生活、高木さんは甘いものが大好きなんです。
そこで、ある日のおやつを再現し食べていただきました。するとビタミンCの量が、4.4から3.8へ14%も減少したのです。
実は、甘いものを食べると活性酸素の発生が増えるといいます。その他、飲酒、喫煙、大食い、強いストレスを感じる、などの行動も要注意です。ビタミンC枯れの引き金になります。
このビタミンC枯れを放置しておくと、更に恐ろしいことが起こるのです。
「」に続きます。