この記事は「腸内フローラ|善玉菌、悪玉菌の理想の割合賢者」からの続きです。
近年、平均寿命は延びてきていますが、糖尿病や高血圧の患者数も右肩上がり、治療が必要な方が増え続け、介護が必要な人の数も、15年前に比べ、およそ2倍にまで増加しています。
しかし、何より大切なのはただ長生きするだけでなく、健康を維持し健康寿命を延ばすことなのです。
「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」(2018年7月14日放送)では、健康で長生きするための秘けつの一つとして、腸内フローラを取り上げ、紹介してくれました。
近年の研究で、平均寿命に大きく関係することが分かってきた、最近話題の腸内フローラですが、新たにわかった、便秘を無くし、腸内フローラをきれいにする食生活の秘密など大公開します。
前記事では、腸内全ての菌の内、善玉菌は2割、悪玉菌は1割、残りの7割はそのどちらでもない、これが腸内フローラのベストバランスと言われているが、現在の日本人はこのバランスが崩れ、悪玉菌の方が多くなっていること。
さらに便秘患者が少ない茨城県の腸内フローラ賢者を尋ね、どんな食生活なのか、一つ目の秘訣を調査しました。
<この記事の目次>
◆腸内フローラを美しく保つ2つの秘訣
4ネバと、野菜サラダ(野菜どんぶり一杯)、14年間全く変わらない関田さんの朝食作り、次は、ヨーグルト作りです。
ヨーグルトは家庭でも簡単に作ることができるのです。
市販のヨーグルトの種菌を、常温もしくは温めた牛乳に入れるだけ、後は自然と発酵するのを待てば出来上がります。
14年前、友人からもらった自家製ヨーグルトを食べたところ、お腹の調子が良くなったので、今でも作り続けているのだそうです。
一般的に、腸に良いと言われるヨーグルト、実はこのヨーグルトの食べ方に腸内フローラを美しくする2つ目の秘密(秘訣)が隠されていたのです。
14年間変わらない関田家の朝食の献立は全部挙げると、4ネバ、野菜サラダ、フルーツのヨーグルトかけ、目玉焼き、牛乳、なのですが、果たして乳酸菌とビフィズス菌を増やし、美しい腸内フローラを作る秘訣とは何なのでしょうか。
早速、腸のスペシャリスト、順天堂大学 医学部 教授小林弘幸先生に聞いてみると、
「関田さんの元々おなかの中にいる乳酸菌が、今食べてるヨーグルトとすごくマッチングしてると思うんですね。合ってるんで、今おなかの中にいる菌が活性化して増えて行っているという風に考えられますね。」
実は、私たちの腸の中にいる善玉菌は十人十色、人によって少しずつ違います。
一方、ヨーグルトに含まれている菌も様々なタイプがあり、乳酸菌だけでも数百種類あると言われています。
もし、腸の善玉菌と相性が良いヨーグルトと出会うことができたら、様々な効果が期待できると先生は言います。
「自分に合う菌に出会うと、すぐに便とか、肌に反応が現れるということですね。
通じ、体調が良くなって、疲れにくくなるとか、肌がきれいになるとか、そういう作用が出てきます。
ですからそういう菌は、自分に合ってるんだなと思った方がいいです。」
関田さんの場合、自家製ヨーグルトに含まれている乳酸菌と、腸内の善玉菌の相性が非常によく、乳酸菌などの善玉菌の増殖に繋がっていたと考えられるのです。
ではビフィズス菌を増やす秘訣はどこにあるのでしょうか。
小林先生が、関田さんのVTRを見て言います。
「食物繊維のバランスっていうのがあるんですけど、食物繊維には水溶性と不溶性店はあります。
VTRから見たイメージですと、水溶性の食物繊維がものすごく多いな、という風に感じました。」
ポイントは、水溶性の食物繊維を含む野菜を多くとっていること。
水溶性食物繊維とは消化されやすい食物繊維で、腸内を移動しながら発酵するために、ビフィズス菌のエサになると考えられています。
アボカドや、海藻類、山芋や、オクラなどのネバネバした野菜にも多く含まれています。
関田さんの4ネバは、水溶性食物繊維を多く含む料理。9種類の野菜サラダは不溶性食物繊維が豊富な料理、この2つのバランスが腸内フローラを美しく保つ秘訣なのです。
「理想的な比率としては、水溶性が1の割合に対して、不溶性が3だと思いますね。」
水溶性食物繊維1に対し、不溶性食物繊維は3、これこそが腸内フローラを美しく保ち、健康長寿になるための黄金比率なのです。
関田さんはこの黄金比率を実践、ビフィズス菌に餌を与え、ご自分の善玉菌と相性が良いヨーグルトで、乳酸菌などの善玉菌を増やしていたと考えられます。
◆腸内フローラのバランスを良くする食材
自分の腸内フローラのバランスが崩れているかどうか、チェックできる簡単な方法があります。
お通じの状態で腸内フローラ簡単チェック。次の四つの質問に、いくつ当てはまるか、各自チェックして見て下さい。
①3日以上お通じがないことがある
②通じの時間はバラバラ
③お通じに3分以上かかる
④柔らかい便がよくでる
いかがですか、一つでも当てはまる方は、腸内フローラのバランスが崩れている可能性があります。
「4つ全て当てはまる方は、かなり腸内フローラが乱れていると思われた方がいいと思いますね。」
「ヨーグルトってのは、もちろん良いんですね。乳酸菌がたくさん入ってます。手軽に摂れるって言う事でも良いですね。
ヨーグルトだけでなくて、他にも乳酸菌を含むたくさんの食材がありますから、そういうものを摂られてもいいと思います。」
ヨーグルト以外に乳酸菌を多く含む食材はチーズ、味噌、漬物です。
「これ全部まとめて、いわゆる発酵食品ですね。ただやっぱりチーズはプロセスチーズよりはナチュラルのチーズの方がいいです。
それから漬物は、浅漬けよりぬか漬けの方がいいです。
味噌はどれでも一緒なんですが、やはりよく発酵したものを摂るっていうのが一番重要だと思いますね。」
◆発酵食材の効果的な摂り方
これら乳酸菌を多く含む食材の、効果的な摂り方があるんです。
それがこちら、食べる時間と食べ方
まず食べる時間、それは夜食べる。
「実は、腸にはゴールデンタイムってのがあります。ゴールデンタイムとは寝てから、大体2時間か3時間ぐらいの時間と思って下さい。
腸っていうのは、皆さんが寝てる時に、ものすごくリラックスしながら活動してくれてるんですね。
食事もあまり寝る直前に食べると、お腹も興奮してるんですね。それは良くないから、やっぱり寝る3時間前までに終わらせて、そのぐらいに、乳酸菌食品を食べていただくと良いということです。」
食べ方は、4つの食材を一緒に食べる。
例えば、ヨーグルト、チーズ、味噌、漬け物の中にいるとされる菌を挙げると、
・ヨーグルト:ブルガリア菌、サーモフィラス菌、カゼイ菌、ガセリ菌、ラムノサス菌など
・チーズ:ラクティス菌、クレモリス菌、ヘルベティカス菌など
・味噌:ハロフィルス菌など
・漬物:メセンテロイデス菌、プランタルム菌、ブレビス菌、フェカリス菌、ペントサセウス菌など
四つの食材を 一緒に摂れば、自分に合う菌が、どれか少なくとも一つぐらいはあるだろうという考え方です。
日本人に身近な乳酸菌食材、それがヨーグルト、ナチュラルチーズ、ぬか漬けなどのお漬物、そしてお味噌、実はこの四つの食材を組み合わせると10種類以上の乳酸菌がいっぺんに摂取できると言われているのです。
さらに同時に複数の乳酸菌を摂ることで、乳酸菌同士が刺激しあい、腸が活発化、腸内フローラをより美しくできると考えられています。
しかし、どう考えても海外発祥のヨーグルトやチーズと、日本古来のお漬物やお味噌の相性が良いようには思えません。
一方、ビフィズス菌を増やすための食物繊維はどれだけ食べなければならないのか。
理想的な食物繊維の量は、およそ10g、これはレタスだと3玉分、トマトだと7個分、ネギだと9束分、これをなかなか一食で食べるのは大変です。
さらに水溶性食物繊維1と不溶性食物繊維3の黄金比率も守らなければなりません。
一体、どうすればこれらの食材を、無理なく摂取できるようになるのでしょうか。
「」に続きます。