玉ねぎはアルカリ性食品なので、肉、卵、牛乳などの動物性たんぱく質が多く、酸性体質になりやすい食事に偏りがちの人にとっては、酸性体質を中和してくれます。
玉ねぎはネギの仲間です。私達が食べるのは正式には「鱗茎」と呼ばれる部分で、短い茎の周囲に養分を貯めた葉が重なり合ったものです。ニンニクやらっきょうなどと同じ部分です。
玉ねぎは品種改良を重ねてきて、現在では100種類以上あると言われています。
玉ねぎは保存がきき、年間を通じて食べることができます。
玉ねぎの刺激臭は抗酸化物質
玉ねぎを切ると強い刺激臭がして涙が止まらないのは、玉ねぎ中のアイリンという硫黄化合物が酵素アリナーゼと反応して、アリシンとなりアリシンの一部がさらに酵素の働きで硫化アリルという刺激物になり、揮発しやすい硫化アリルが目を刺激するためです。
アリシンは強い抗酸化作用を持っているといわれ、玉ねぎの中の重要成分です。
アリシンは揮発性、水溶性の性質です。よって、切った玉ねぎを長時間放置したり、水にさらすとアリシンが失われていきます。
アリシンを含むタマネギとビタミンB1を含む食材と調理すると、ビタミンB1の損失がすくなくなり吸収されやすくなります。
さらに、普段は捨ててしまう玉ねぎの皮にもポリフェノールの一種ケルセチンという栄養成分が豊富に含まれている品種もあります。
玉ねぎのアリシンでビタミンB1を確保
エネルギーを作る時、ビタミンB1は糖をエネルギーに変換するのに不可欠な栄養素です。
しかし、ビタミンB1は水溶性で熱に弱い性質があります。
豚肉、卵、大豆などビタミンB1を多く含む食材の料理で、何の工夫もなく料理すると、調理過程でビタミンB1の半分くらいは失われるいわれています。
この時、玉ねぎを使って料理すると効果的です。玉ねぎのアリシンは、豚肉などと同時に炒めると、豚肉中のビタミンB1と調理中に結合し、アリチアミンという物質になります。
アリチアミンは脂溶性のため水や熱に強く、調理過程で失われにくくなり、ビタミンB1の多くの量が体内に吸収されやすくなります。
さらに、アリチアミンは安定で、血中に長時間留まることができる他、余分なビタミンB1をすぐ尿として排出させず、肝臓にも蓄えることができるようになります。
このように、玉ねぎのアリシンは、エネルギー変換に重要なビタミンB1をアリチアミンとすることで働きを長持ちさせ、スタミナが続くなど多くの効果があります。
玉ねぎの茶色の皮も重要です
玉ねぎのアリシンは野菜炒めなどの食用油と化合するとアホエンという硫黄化合物に変わり、このアホエンにはコレステロール値を下げ、抗血栓作用があり動脈硬化の予防・改善の効果があるといわれています。
玉ねぎの茶色の表皮にはケルセチンという物質が含まれています。特に、赤玉ねぎという種類に多く含まれています。
赤玉ねぎの一番表の表皮を煎じて飲むと、ケルセチンの働きで血管を丈夫にするので、動脈硬化予防、高血圧や肩こり、不眠症に効果があります。
玉ねぎの食物繊維やアリシンの刺激で便秘改善
玉ねぎは、適度な食物繊維やアリシンなどの硫化物など、刺激の強い成分が多いので、胃腸を刺激し便秘を改善します。
さらに、それによって(現在ではあまり使いませんが)虫下しにもなるといわれています。
しかし、刺激の強いことは逆に、腸を刺激し過ぎて下痢になるなど副作用にもなるので、食べ過ぎには注意が必要です。
酢玉ねぎ、氷玉ねぎの作り方、その効果とは
玉ねぎの生薬的効果を得るために、いろいろレシピが工夫されています。味は?