ショウガは野菜なのですが、含まれている成分は独自のもので、古くは薬のように取り扱われていました。
現在でも冷え性に良いとか、ダイエット効果もあるなどといわれ、人気が高まっています。
ショウガって何?その歴史とは
ショウガはレンコンと同じ仲間で、食用部分は根茎(こんけい)と呼ばれ、水平方向に伸びた地下茎が肥大化したもので球根の一種です。
ショウガの原産地は、インドから西の東南アジア地域とされています。
そこから中国に伝わったといわれますが、インドや中国では、すでに紀元前2世紀以前には食用とされていたようです。
ヨーロッパへも紀元前に伝わったといわれていますが、涼しい気候が向いてないこともあり、栽培はされませんでした。
生薬として用いられる程度で、量も少なく、食材として使われませんでした。
しかし、14世紀以降にヨーロッパでペストが大流行した時、ショウガを食べている人は、ペストにかかりにくい可能性があると、ショウガの有用性がいわれるようになり、パンにショウガ(ジンジャー)をいれるなどして、食材としても広まっていきました。
その当時は、ヨーロッパでショウガがほとんど栽培されていなかったため、ショウガの値段は高騰しました。
その後、西インド諸島などが発見され、そこでショウガが栽培されるようになり、ヨーロッパでもショウガの利用が進んでいきました。
日本でも3世紀ごろには持ち込まれ、奈良時代にはすでに栽培されていたとの記録があり、日本人にもなじみが深い食材です。
ショウガの種類
ショウガは栽培方法や、大きさ別に分類されます。
代表的なのは大きさ別に大生姜・中生姜・小生姜の3種類に分けるもので、見た目から直感的に判別できるので、分かり易い方法です。
小生姜:ショウガの早生種(わせ)。1個の大きさが300g程度以下で、はじかみショウガなどに用いられます。
中生姜:早生より少し長期間で収穫。1個の大きさが500g前後で、辛味は強めです。ひねショウガとして貯蔵せず、主に漬物や加工品に使用されることが多いです。
大生姜:収穫まで一番時間がかかるショウガの晩生種(おくて)。1個の大きさが1kgにもなることがあり、一般的に野菜売り場にある生姜は、この大生姜です。ひねショウガとして、保存して1年中見られます。
ショウガの3大成分
ショウガにはジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンの3成分が重要です。
ジンゲロール:生姜の辛み成分。生のショウガに最も多く含まれる。ピリッとした辛さがあります。
ショウガオール:ショウガを長期間保存しておいたり、加熱調理するとジンゲロールが脱水反応を起こし生成されます。ジンゲロールより口に残り辛味が強いといわれます(個人差あり)。
ジンゲロン:別名バニリルアセトンといい、ジンゲロールが分解し、生成されます。生成量はショウガオールと比べると微量です。
その他、精油成分(ジンギべロール、ピネン、シトラールジンギベレン、ネラール) も含まれます。
それぞれの成分にショウガ特有の薬効があり、近年ショウガの人気が高まっています。
ショウガのジンゲロールは吐き気、下痢、腹痛に効果
生のショウガに多く含まれるジンゲロールという成分は、吐き気を押さえる作用があり、漢方でもショウガは、吐き気を止める生薬として用いられています。
また、ジンゲロールは殺菌作用があり腸内を殺菌し、下痢、腹痛を改善してくれます。
寿司といっしょにガリ(ショウガ)が出されるのは、生活の知恵で、ショウガを同時に食べることにより、刺身での食あたり防止の意味もあるのです。
ショウガの吐き気防止の用法は簡単です。
生のしょうがをすりおろし、ガーゼなどで絞って搾り汁をとります。コップ1杯の冷水に(お湯を使うとジンゲロールが変質します)この搾り汁スプーン1杯を加えて飲むと、吐き気を止めることができます。
食欲不振も改善
胃が持たれて食欲が進まない時に、ショウガは効果があります。
精油成分の独自の香り、芳香ジンギベロールと、辛み成分( ジンゲロール、ショウガオール)はムカムカした感じをなくし食欲を増進します。
生のショウガの薄切りを2~3枚食べるだけで、胃のつかえが解消し、食欲が増します。
ショウガは冷え性の改善、肩こり解消にも
ショウガオールは血行を促進させたり、心臓から送られる血液量を増やす作用があるので、体を芯から温めるという効果があります。
さらに、ジンゲロンには発汗作用があり、体の老廃物や余分な水分を排出する作用があります。
加齢などで腎臓や膀胱の代謝機能が低下し、水分の排出能力が衰えてくると、冷えやむくみといった症状が起こりやすくなります。ジンゲロンによってこのような冷え性の改善につながります。
ショウガオールとジンゲロールの血行促進効果は特に、貧血や低血圧の人の肩こりの解消に効果があります。
ショウガはその他、頭痛の改善効果があり非常に優れた生薬です。
肩こりがひどくて我慢できない時は、即効性がある方法として、生姜の絞り汁で湿布することも良い方法です。
生姜の絞り汁を少し温め、肩こりの部分に湿布しておくと、ジンゲロールが浸透し、その部分が暖かくなって、次第に肩こりが改善されます。
このように湿布する方法を応用すると、関節炎や神経痛にも効果があるといわれています。
ショウガオールでダイエット!
ショウガは脂肪の燃焼を効率的に行い痩せを促進できる効果があるといわれ、生姜を活用したダイエットは健康に痩せられると注目されています(生姜ダイエット)。
ショウガを加熱した、ショウガオールは基礎代謝が上がりダイエット効果も期待できるのです。
特に、運動とショウガを組み合わせると、ダイエット効果が大きくなるといわれています。
下の動画を参照して下さい。