シソは中国から、日本へ渡来したといわれています。縄文時代の遺跡からも出土しており、その歴史は日本の数ある野菜や、果物の中でも、特に歴史は古く、日本古来の植物といってもいい植物です。
赤シソ、青シソの違い
赤シソ、にはシソニンというアントシアニン系の赤色の色素が多く含まれています。
この色素は酸と反応すると鮮やかな赤色に発色します。
梅干しの場合、梅に含まれるクエン酸と反応し、発色します。
この特質を利用して梅干し、紅ショウガ、柴漬けなどの色付けに使われています。
青シソはシソニンはありませんが、βカロテンなどの栄養素が豊富です。「大葉」とも呼ばれ、主に薬味として使われています。
シソの成分
シソの栄養はβカロテン、ビタミンB2、ビタミンC、などのビタミン群、カルシウム、鉄分、カリウムなどのミネラル、食物繊維など栄養価は非常に高いものです。
特に、ビタミンAの元になるβカロテンの量は100g当たりニンジンより多く含まれています。
シソの殺菌、防腐作用
シソの香りの元はペリルアルデヒドという精油成分です。
香りだけでなく、ペリルアルデヒドは、強い殺菌力、防腐作用を持ち、食中毒の予防にも役立つといわれます。
シソ(大葉)が刺身のツマとして添えられているのは、色どり以外に、この殺菌防腐効果で食中毒予防を狙ったものです。
さらにペリルアルデヒドの殺菌作用は、バクテリアのタンパク質を分解する能力が高いということで、ガン細胞の増殖を抑えるのではないかという研究もされています。
ただ、ペリルアルデヒドの殺菌力は適量なら有効物質ですが、強い作用があるので、摂取し過ぎた場合の毒性を指摘する人もいます。
毎日、毎日連続して、5枚、10枚と食べるような方法は避けた方が良いでしょう。
シソの食欲増進、健胃作用
シソのペリルアルデヒドには、その香りで胃液の分泌を促し、食欲を増進させるほか、胃の消化能力を活性化するといわれています。
胃腸が虚弱で食欲がいつもなく気分が沈んで胃が重い人、くよくよして考え事が多くそのために神経症、胃痛などが起こる人などに効果があります。
シソの抗酸化作用、粘膜強化
シソの葉にはカロテノイド(色素)であるβカロテンが、100gあたり11,000μgと豊富に含まれます。
特に大葉に多く含まれるといわれ、これはニンジンの含有量よりも多く、食品の中でもトップクラスの含有量です。
βカロテンには、抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑え、皮膚をはじめ全身の老化を防止してくれます。
また、免疫力の向上作用なども期待できます。
βカロテンは体内でビタミンAに変わり、目の網膜を強化したり、全身の粘膜の損傷を修復してくれます。
その他、シソにはカルシウム、カリウムなども豊富です。
ただし、ペリルアルデヒドのこともあり、シソはニンジンのようにサラダにしたり、野菜炒めにしたりして、バリバリ食べるような野菜ではないので、その効果はある程度限定的といえるかもしれません。