「ガッテン!傷んだ髪の共通サイン“空洞化”を防ぐ新常識」(2018年4月18日放送)では、あまり聞き慣れない”髪の毛の空洞化”を取り上げ、原因や対策を解説してくれました。
今、新たに問題になっている事実、”私たちの髪が空洞化する”。それがテーマなんです。
でも、髪の空洞化が起こるって、いったいどういうことでしょうか。
こうしている間にも、髪の毛の間違った手入れで、私たちの髪の毛の空洞化が始まっています。
髪の毛の拡大写真をご覧いただきましょう。
正常な状態では髪の毛の表面がみえるだけです。これの空洞化になるとどういう写真になるんでしょう。
髪の毛の真ん中に白い筋が写っています。白く写ってるところが空洞化しているところなんです。
今日のテーマは髪の毛の空洞化、どうすれば空洞化を止められるか、というのが今日のテーマです。
さらに今回、傷んだ髪でも綺麗に見せるスゴ技もご紹介します。
シャンプーのCM などを手がけている達人の技を使うと、傷んだ髪の女性も大変身。さあみんなで綺麗な髪を目指しましょう。
<この記事の目次>
◆街ゆく女性の8割が髪の毛の空洞化発生
そこで早速、特殊なカメラを使い街ゆく皆さんの髪の毛を調べてみました。
綺麗なロングヘアーの若い女性の髪には空洞化はありません。綺麗でした。
一方、若くても、別の女性は白い線がたくさん見られました。
50代の女性、白い線が目立ちます。
街中の調査ではなんと8割の女性の髪が空洞化していました。
実は、この空洞化こそが髪のトラブルの元凶だったのです。
今、髪にお悩みをお持ちのあなた、髪の表面をどうのこうのという前に、まずあなたの髪の毛空洞化してませんかというのが、このの番組のスタートなんです。
スタジオの麻木久仁子さんも、
「さっき女性の8割って言ったでしょ。私も、空洞化してるかもしれない、アイロンたくさん使ったりとか、若い時から髪の毛を酷使してるから、もしかしたら。」
◆髪の空洞化発見した研究員に聞く
髪の毛に空洞をこしらえてしまう、ということを発見された方の所を訪問し、お話を聞かせてもらいました。
髪の毛の空洞化は、一体どんな悪影響をもたらすのか。
伺ったのは日用品メーカーの研究所です。教えてくれるのは研究員の長瀬忍さんです。
長瀬さんが空洞化の研究を始めたのは20年ほど前、お客さんからのある問い合わせがきっかけでした。
「お客様から、髪の染まり方が違うよっていう問い合わせを頂きまして、一体何が起こってるんだろうと思いました。」
当時流行し始めたヘアカラー、同じ商品でも人によって綺麗な色に染まらないと言うんです。
何が染めた色に影響を与えているのか、長瀬さんは徹底的に調べることにしました。
その結果、顕微鏡で見てみると、綺麗に染まらない髪には必ず白い線が・・綺麗に染まる髪にはありませんでした。
「すごく不思議に思って、逆にすごく面白いなと思いましたね。いったいこの原因はなんだろう、是非突き止めたいと思いました。」
長瀬さん、この白い線は何なのかまず髪の毛の表面を調べてみました。
うろこ状に見えるのが、髪の表面を守ってくれているキューティクルです。しかし、そこに白い線はありませんでした。
そこで、一本の髪を輪切りにして、断面を見てみることにしました。
すると、髪の中心部に白い部分が、何と、髪の中心部が空洞になっていたんです。
「髪の見え方に一番影響するのはキューティクルの状態だというのが常識でした。
ところが今回見出したのは、髪の中の状態なんです。
そこが空洞化している、していないということが、髪の見え方に大きな影響をするということで非常に驚きました。」
と長瀬さん。
その後さらに、空洞化が、髪のトラブルの元凶になることが分かってきたのです。
「本来は空洞化してる髪の毛が何本かあって、全く空洞化してないものもあると思われていたんだけれど、正常な髪の毛も徐々に空洞化していくんだってことを突き止めたのです。我々、誰でもそうなる可能性があります。」
今現在、そうなってる人もいます。そして、これから空洞化する原因を知らないでやってると、さらにもっと、どんどん空洞化していくのです。
◆髪のトラブル、全ての現象が空洞化と関係
長瀬研究員によって、ツヤが無い、切れる、張りがない、うねりが出る、こういった髪のトラブルが全て空洞化と関係があるってことが分かって来たのです。
麻木久仁子さん、
「若い頃は、調子悪い時や、髪の毛いっぱい酷使した時に、艶がなくなったりしたけれども回復したんですよ。
でも、50歳を過ぎてからは、もうこれが日常になって、基本ツヤがない、張りがない、うねってるんです。」
山根千佳さん、
私も切れ毛がひどくて、アホ毛( 若者言葉で まとめた髪の表面から飛び出した短い毛のこと)が多くて、メークさんに抑えて下さいと言っているので、まだこんな程度なんです。」
金子貴俊さん、
「小学校の時は、髪の毛つやつやさらさらランキングで男子1位だったのに、今では戻す前の春雨状態ですよ。」
ツヤが無い、切れる、張りがない、うねりが出る、この4つの現象は空洞化が原因になっているという検証実験を紹介します。
まず、髪のハリが無くなる、うねりが出る現象から行きましょう。
ハリに関してはこんな実験が行われています。空洞化してる髪と、してない髪の先端部分を結んでから、手を放します。
すると、空洞化してない髪は髪の弾力性で自然に解けるのに対し、空洞化している髪は結んだままで解けません。
次にツヤに関する実験です。
ツヤというのは光の反射なんです。
空洞化していない髪では、髪に光が当たって、入ってきた光は綺麗に反射して出て行きます。よって、髪の毛の反射光が強く、天使の輪が光って見えます。
ところが、空洞化していると、髪の毛に入って来た光が空洞の境目で乱反射してしまい、光がちゃんと出て行かないので、髪の毛の反射光が弱くなります。そうするとぼんやりした見え方になるので、ツヤが無い髪になってしまうのです。
髪の毛の切れやすさを調べるにはこんな実験があります。
空洞のある髪とない髪を用意して、髪の毛の引っ張り強さを測定する機械にセット、どのくらいの力で切れてしまうかを調べました。
その結果、空洞化していない髪は、およそ135gの重さに相当する力で切れました。一方空洞化している髪は半分ほどの力65gで切れてしまいました。
髪が傷んで空洞化し髪の強度が落ちてしまった影響です。
そう、これらのお悩み、空洞化が大きな原因のひとつだったんです。
◆髪の毛のどこが空洞化するのか
髪の毛をごくごく模式的に表すと、以下の写真のようです。
髪の表面にはうろこ状のところがあります。これがよく聞くキューティクルというものです。
今回、空洞化と言ってるのは髪の中のことです。
髪の毛の中、キューティクルの内側には、周辺にコルテックスという組織があります。これは繊維状のタンパク質です。
その中心にタンパク質と油が混じり合ったような、メデュラというものがあります。
髪の毛はキューティクルとコルテックスとメデュラで大体できていて、空洞化とは、どこが抜けてるかというと、メデュラとその周りのコルテックスの一部を失ってしまうことです。それが髪の空洞化です。
年を取ると空洞化になっていくという老化現象かというと、そうではなく、街中で調査したように、若い女の人たちでも空洞化している人がたくさんいます。
◆髪の空洞化の原因、洗髪時の間違ったケアとは
いったい空洞化の原因は何なのでしょうか。その実態を紹介します。
都内のレストランで行われたベリーダンスサークルの発表会、メンバーの一人、田崎まゆみさんです。
ベリーダンスは綺麗な髪が命、田崎さんも、もっと髪の毛を綺麗にしたいと言います。
田崎さんは、街で髪の毛調査に協力してもらった1人で、髪の毛には空洞化した白い線がたくさんありました。
そんな田崎さんの普段の髪のケアを見せてもらうことにしました。
自分の髪の評価は、
「毛先が問題、毛先でパサつきが感じられるのです。真ん中当たりまでは手櫛がすっと通るんですけど、毛先で引っかかるって言うことはダメージを受けているかなと思います。」
洗髪状況を、早速チェックしました。
・洗髪の前にブラッシング、絡んでいる髪をとかし、絡みを無くします。
・髪を、お湯で濡らしたら、お気に入りの美容液入りシャンプーで毛先までしっかり洗います。
・すすいだ後は、海藻エキス入りの高級コンディショナーを毛先までしっかりとつけて軽くすすぎます。
・手で髪を絞ったら、吸水性の良いタオルで叩くように水分を取ります。
・その後、すぐにドライヤーと目の細かいブラシで、髪をとかしながら毛先まで乾かします。
・最後にブラシで整えて完成です。
これだけ頑張っているのに、
「満足とはやっぱり言えないです。満足ではないでないですが、なんとか現状を受け入れてる感じです。」
田崎さんの洗髪方法、いったい何がいけなかったんでしょう。
そして二人目は、同じく街角で髪をチェックさせていただいた、三輪希さん、こちらも空洞化が目立ちます。
髪のお悩みを聞くと、切れ毛とのこと。
「触った時に切れちゃったりとか、髪を束ねた時、綺麗に束ねられず、バサバサ出てきちゃうんです。」
三輪さんにも普段の髪のケアを見せてもらうことに、ここにも犯人が隠れています。
・三輪さんはブラッシングせずに、いきなりお湯で濡らしてます。
・自分の髪質に合うというシャンプーを泡立て、よくすすぎます。
・そして、自分の髪質に合うというコンディショナーをたっぷりつけて、お湯ですすぎます。
・その次に、三輪さんのこだわり、なんと2回目のコンディショナー、こちらもたっぷりつけていきます。
・すすいだ後は、タオルで叩くように水分を取ります。
・そしてブラシでとかしながら、ドライヤーを軽く当てたら終了です。
・後は、そのまま自然乾燥させます。
実は、二人には知らないうちに髪の毛を空洞化させる共通点があったのです。
それぞれまとめました
田崎さんは
・洗う前にブラッシングして
・髪を洗って
・タオルドライを叩くようにして
・ドライヤーしながらブラッシング
美輪さんは
・髪を洗う時コンディショナーを2回つけるというこだわり
・そしてタオルドライ
・ドライヤーして、半乾きでブラッシング
この中に、二人とも空洞化になる原因をやっていらっしゃいました。それは一体なんでしょう、スタジオの皆さんの答えは、
「乾かし切れてない。」
「タオルで揉んでふく。」
「地肌から乾かさず、髪の表面から乾かしていた。」
などでしたが、どれも不正解でした。
正解は、”髪はぬれたまま、擦るな!”です。すなわち、
田崎さんのドライヤーしながらブラッシング、三輪さんの半乾きでブラッシングがバツでした。
田崎さんが問題だったのは、目の細かいブラシで濡れた髪をとかすこと。
三輪さんも、濡れた髪を乾かしながらブラッシング、これも濡れたままこすっています。
さらに二人とも髪の毛の洗い方にも問題がありました。
それは、こすり洗い、汚れを落とそうと髪同士をこするように洗っていました。この洗い方はすごく髪を傷めてしまうんです。
◆濡れた髪をこするとどうなるか
濡れた髪をこすり洗いすると、どうなるのか、こんな実験をやってみました。
髪の毛の束を水の中に入れ、濡らしてからこすり洗いした場合と、
髪の毛を乾いたままでこすり、水に浸した場合、
それぞれの水を小瓶に移して光を当ててみます。
すると、片方の小瓶にはたくさんの白いキラキラしたものが見えます。実はこれキューティクルなんです。
濡れた状態で髪をこするとキューティクルが簡単に剥がれてしまうんです。
しかし、乾いた状態で擦った方は、キューティクルの剥がれはそれほどありません。
このキューティクルの剥がれこそが空洞化の第一歩なんです。
空洞化が起こっていく原因は何なのか、もう一度説明します。
髪の毛を濡らすと、水分を吸って膨張します。そして、柔らかくなります。
その状態でブラシやくしでゴシゴシやるということはどういうことかというと、キューティクルがどんどん剥がれ易いということです。
髪の毛は、キューティクルが何枚も重なって、中を守っているそういう構造なので、そうして外側のキューティクルが剥がれてくると、中のメデュラやコルテックスが外にしみ出してくるんです。
どのくらいこすったりとかを続けてたら、空洞化になるか分かってるんですか。
それです、それも実験をしました。
次の記事は「髪の毛をツヤツヤに-2|空洞化させない洗髪方法、サラサラヘアーのプロ技」に続きます。
髪の毛の健康に関わる、「フケの原因と対策」 >>