セロリの原産地は北欧といわれ、ヨーロッパからインド西北部にかけて広く分布し、自生しています。
セロリは古代ギリシャ・ローマ時代から薬用効果のある野菜と考えられていました。その他、香料、葬儀や祭りの魔除けなどにも使われていたそうです。
16~17世紀頃、イタリアやフランスで食用として栽培が始まって、その後、ヨーロッパ全域とアメリカにも伝わったといわれます。
セロリを日本に伝えたのは加藤清正?
日本へは、16世紀後半、加藤清正が朝鮮出兵からセロリを持ち帰ったという説があります。そのことからセロリには「キヨマサ人参」という異名があります。
その後、オランダから西洋種が入ってきましたが、香りが強すぎて定着しませんでした。
日本で一般的にセロリとして流通しているものは「コーネル619」という、比較的香りが弱い品種が多くを占めています。
これは昭和30年代頃から普及しはじめ、今も栽培されています。
国内のセロリの産地は長野県、静岡県で、両県だけで、国内生産量の60%以上を占めています。
セロリの栄養成分
セロリの95%近くは水分で、みずみずしい野菜といえます。
セロリにはアピイン、セダノライド、ビラジンなど40種類近い豊富な香り成分をはじめ、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン、カルシウム、カリウム、鉄、リンなどのミネラル、βカロテン、食物繊維などが含まれています。
さらに男性が食べるとフェロモンが発散し、女性がその気になって、もてるようになるフェロモン物質も含んでいると話題になりました。
セロリを食べて精神を安定させ、食欲増進、血圧安定を
セロリの香りの主成分であるアピインやセネリンという物質は、精神を安定させ、イライラやストレスを解消する効果が期待できます。
それによって、血圧安定、頭痛を和らげる効果も期待できます。
また、香り成分であるアビオイルは口の中をさっぱりさせ、食欲を増進させる効果があるといわれています。
セロリに400mg以上(100g中)含まれているカリウムは、塩分の過剰摂取で血液中に増えすぎたナトリウムの腎臓での吸収を防ぎ、尿中への排出を促します。
それによって、血圧上昇要因のナトリウムを減らし、高血圧の予防に効果的です。
ちなみにセロリのナトリウムは30mg程度で、カリウムより一桁下です。
セロリのビタミンA、C、Eで美肌効果
セロリにはβカロテンが多く含まれています。
βカロテンはビタミンAの元になりますが、抗酸化物質としても作用します。
さらに、セロリには抗酸化力の強いビタミンC、ビタミンEが含まれています。
これらの抗酸化物質は体内で発生する有害な活性酸素を除去して、全身の血行を良くすることで細胞の新陳代謝を活発にし、肌や内臓の老化劣化を抑制してくれます。
また、ビタミンCは肌のコラーゲンの生成を助け、メラニン色素の生成を防ぐのに不可欠なビタミンで、肌のハリや潤い、美白を保つ役割を果たします。
セロリを食べると男女関係がうまくいく?
2012年ころテレビ番組などで、「セロリを食べるとモテる」ということを取り上げた番組が放送されて、話題になりました。
セロリに含まれる「アンドロステノン」という物質がそのフェロモンの候補です。
男性がセロリからアンドロステノンを摂取すると、男性の体から発散されるアンドロステノンフェロモンを感じ取った女性は、性的に興奮し、色気を出す、ということなのだそうです。
フェロモンとは、同種の個体から分泌され、周りの同種個体の受容器で受容され、その刺激は脳に伝わり、周りの同種個体の行動や生理機能に特有の反応を引き起こす化学物質のことです。
フェロモンによる行動が最初に発見されたのは、カイコガの雌が雄を引きつけるボンビコールという物質だったそうです。
アンドロステノンはブタのフェロモンとしてはその効果は実証されているようです。
雄ブタの顎下腺から出るアンドロステノンは、発情期の雌が交尾姿勢をとるように誘引する効果が見つけられました。
実際に、このアンドロステノンは合成され、ブタの人工授精の際に実用化され、繁殖率の向上に役立っているとのことです。
人のフェロモンというものは、まだ確実にそれだといえるものは確認されておらず、アンドロステノンもその候補かもしれないということです。豚と人間が全く同じとは思いたくないような気もしますが・・・
理由はともかく、セロリは、古来ヨーロッパでは「強壮剤」として知られていました。セロリを男性が食べると、フェロモンを発散して性的魅力が増し、また精力もアップするといわれていました。