春の野菜といえば4月から6月くらいまでが旬のアスパラガスが挙げられます。
アスパラガスがヨーロッパから日本に入ってきたのは今から200年ぐらい前といわれています。
最初は観賞用の植物として入ってきました。明治に入ってから、食べられることがわかり、北海道で最初に栽培に成功しました。
現在は千葉、静岡、愛知などでも良質のものが栽培されています。
アスパラガスは種類によって栄養価が異なる
アスパラガスには缶詰として出回っているホワイトアスパラと、野菜売り場で生で販売されているグリーンアスパラのが有名です。
その他にもアスパラガスにはたくさん種類がありますが、この2点が特に有名です。
ホワイトアスパラは土をかぶせて成長させているので、あまり栄養効果は期待できません。
グリーンアスパラは地面から地上に伸びて、太陽の恵みを受けて生育させているので栄養価も高く、緑黄色野菜として注目されている野菜の一つです。
当初はアスパラと言うとホワイトアスパラの方が有名でしたが、近年は栄養価の点からグリーンアスパラの方が伸びています。
アスパラで疲労回復、スタミナ強化
アスパラガスは緑黄色野菜の一種です。緑黄色野菜といえばビタミン類が豊富な野菜ということで、食生活に取り入れることが重要視されています。
アスパラガスにはビタミンA、B1、B2、Cが多量に含まれています。
特に、ビタミンAは、病気など色々な菌に対する抵抗力を高める作用があり、風邪をひきやすい虚弱体質な人には、基礎体力をつける効果があります。
さらに、アスパラガスから発見されたといわれるアスパラギン酸(豆類や牛肉などに含まれます)はアミノ酸の一種で、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルと結合し、それらを全身へスムーズに運ぶ作用があります。
その結果、体のスタミナをつけて、疲労に対する抵抗力を高める作用があります。これを取り入れた栄養ドリンクもあります。
アスパラはタバコの害を緩和してくれる
アスパラガスに含まれる硫黄を含んだ化合物メチルメチオニンというアミノ酸の一種は、タバコを吸った時体内に入るニコチンを、体内でメチルニコチンという物質に変化させる作用があるといわれています。
メチル化されたニコチンは人体にとっては無毒となります。その結果タバコの害が緩和されることにつながります。
また、ニコチンは交感神経を興奮させ、胃の炎症を起こさせることがあります。
アスパラガスに含まれるメチルメチオニンは 喫煙者の胃の痛みを鎮める効果もあります。
メチルメチオニンは独特の臭いがあります。アスパラガスをたくさん食べると、おしっこが臭くなるといわれますが、その原因物質です。
近年、この物質の臭いを感じる人と、感じない人がいることが分かってきました。
このメチルメチオニンや水溶性のビタミン群は、アスパラガスを茹でると、茹で汁に溶けて流出してしまうので、できるだけ、「生」もしくは、油いためなどで食べた方が効果的です。
参考動画にその調理法の例をあげています。
アスパラの便秘解消、美肌効果
アスパラガスは、食物繊維やオリゴ糖を多く含んでいます。
食物繊維は、かつては食材の中で無駄な成分だと思われていましたが、近年注目されている重要な食品成分です。
食物繊維は人間の消化酵素で消化されませんが、腸内善玉菌の餌になったりして、腸内環境を整えるのに役立ちます。それにより、便秘の解消に効果があるといわれていて、便秘による肌荒れを防止します。
またオリゴ糖も、多糖類で腸内の善玉菌の餌になり、善玉菌を増やします。
それらの効果により、アスパラガスを食べると、肌にハリが出て、生活習慣病の予防にもつながります。
アスパラガスに多く含まれる、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化力を高める働きがあります。さらに、ビタミンCはコラーゲン合成作用になくてはならない成分で、美肌効果を高めます。
アスパラガスの栄養成分を逃がさない調理法
簡単にできる生アスパラガスサラダです。
アスパラガスを茹でないので成分流出は最小にできます。